引越しの予定を機に、家の購入を検討する人は少なくありません。その際に気になるのが、家を買うメリットとデメリットです。これらの情報は、購入に踏み切るべきか否かの判断材料として、非常に大きな役割を持ちます。
そこで本記事では、家を買うメリットやデメリットについて解説します。あわせて、家を買うと決めたらまずやることや、家を買う際のポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
家を買うメリット・デメリット
家を買うにあたって気になるのが、メリットとデメリットです。それぞれ理解しておくことで、家を買う際に参考にできるでしょう。まずは、家を買うメリットから解説します。
メリット
家を買うメリットはたくさんあります。なかでも、以下の5つが大きなメリットとして挙げられることが多いです。
- 資産になる
- リフォームがしやすい
- 社会的な信用が高くなる
- 立地や間取りが決めやすい
- 団体信用生命保険に加入できる
家は住居であるとともに、資産でもあります。住み続けることもできるほか、売却して資金に変えることも可能です。賃貸の場合、どれだけ長期間住み続けたとしても資産にはならないので、マイホーム購入ならではのメリットだといえます。
また、家を買うと自分の持ち物になるため、自由に内装をアレンジしたり、新しい機能をつけたりできる点もメリットです。家族の誕生や成長にあわせて、住まいを柔軟にアレンジできます。
さらには、社会的信用が高くなる点もメリットです。持ち家を持っていると、一定の生活能力や経済力などがあると認識されるため、あらゆる面で優位に働きます。
たとえば、クレジットカードやローンの審査です。これらは、ある程度の信用がないと利用できません。家を買って社会的な信用を高めることで、審査に受かりやすくなります。
デメリット
家の購入は、メリットがある一方でデメリットもあります。たとえば、以下の5点です。
- 維持費がかかる
- ローン完済しても税金がかかる
- 修繕費がかかる
- 災害保険ではカバーできないことがある
- 気軽に引越しができない
家の購入は、一括でない限りローンを組まなければいけません。ローンを組むと月々の支払いが発生します。購入当初はローンを返済できる経済力があったとしても、時間が経つにつれて、返済能力が低くなる可能性はないとはいえません。
ローンが払えなくなると、家を売却しなければいけなくなります。仮にローンを完済し終えたとしても、1年に1度の固定資産税がかかるので、定期的な支払いは終わりません。
また、家をきれいに維持するためには、定期的に修繕やメンテナンスを行う必要があります。とくに、大規模な天災のときなどは災害保険でカバーできないケースもあり、支払いのタイミングがローン返済や税金の支払いと被ると、経済的な負担は大きいでしょう。
続いて、気軽に引越しができない点です。周辺環境が悪い、子どもがひとり暮らしを始めたなどの理由で、引越しを考える人も多くいます。
その際、賃貸だと比較的気軽に引越しができますが、購入だと気軽に引越しができません。仮に引越しを行うとしても、家の売却をはじめとして、さまざまな手続きを行う必要があります。
マンションを買うメリット・デメリット
続いて、マンションを買うメリットとデメリットを紹介します。家を買う判断材料としても参考になるので、ぜひご覧ください。
メリット
マンションを買うメリットは、以下の5つです。
- 資産になる
- 立地がいい物件が多い
- セキュリティ対策が万全
- 団体信用生命保険に加入できる
- 住戸や共用部分の設備が整っている
家と同様、マンションも購入すると資産になります。住居として使わなくなったら売却して資金にするほか、賃貸として貸し出して家賃収入を得ることが可能です。とくにマンションの場合、セキュリティなどの設備がよく、周辺環境に優れた場所に立てられる傾向にあります。
たとえば、日当たりのよい住戸や来客者用のロビー、オートロック、守衛、防犯カメラなどです。こうした特徴があるため、賃貸として貸し出す際も借り手を見つけるのに苦労しません。
また、ローンを組むと、団体信用生命保険に加入できます。団体信用生命保険とは、ローン契約者がローン返済中に亡くなったり、働けないほどの障害を負ったりした場合、保険金でローン返済を行うといった保険です。
団体信用生命保険は家を購入する場合も加入できますが、マンション購入でも同じように加入できます。万が一のことを考えたときに安心できるのもメリットです。
デメリット
以下の5つがマンションを買うデメリットです。
- 初期費用が高い
- 管理規約がある
- 引越しがしづらくなる
- ローンの返済が必要になる
- 管理費や修繕積立金がかかる
マンションを買う際、頭金や手数料などで購入価格の30〜40%を支払う必要があります。これは、ローンを組んだとしても変わりません。そのため、購入のハードルが高まるのがデメリットです。
また、マンションなどの集合住宅には、管理規約が設けられています。管理規約とは、入居者が快適に暮らせるようにするための規約が記載されている、マンション内のルールのようなものです。
賃貸でも購入でも、そのマンションに入居したのであれば、管理規約を守らなければいけません。そのため、家を購入する場合と比べて、内装の改変をはじめとしたリフォームなどの自由度が制限されます。
マンションはローンや税金以外にも、管理費や修繕積立金が必要です。管理費は、その名のとおりマンションを管理してもらうことに対して支払います。一方、修繕積立金は、マンションの共用部分を修理するために入居者が積み立てる費用です。
どちらも家を買う場合は発生しないので、マンションの購入ならではのデメリットだといえるでしょう。
家を買うと決めたらまずやること
家の購入を決断したら、次のことを行いましょう。
- 買うタイミングを決める
- 予算を決める
- どの住宅タイプがよいか考える
- 建築会社を探す
- 土地を探す
- 必要な費用を把握する
いきなり購入してしまうと、思わぬトラブルが発生するおそれがあるので、上記の内容について詳しく解説します。
買うタイミングを決める
家を買うタイミングを決めましょう。なぜなら、家の購入はタイミングによって良し悪しがあるからです。
たとえば、家を買うときにローンを組むとします。ローンは新築で30〜35年、中古で25〜27年で返済するのが平均的です。
70歳で完済できるように組むことが多いため、35〜45歳にはローンを組んでおく必要があります。もちろん、さらに若いタイミングでローンを組んでも問題ありません。
もし、ローンを組む年齢が遅れると、月々あたりの返済額が高くなったり、70歳を超えても返済したりする必要があります。場合によっては、ローンを組めないおそれもあるでしょう。
また、ローンは金利が発生します。金利はその時々で変動するため、金利が安い時期を狙って購入するのもひとつの方法です。
実際、現在の住宅ローンの金利は低い傾向にあります。月々にかかる金利は低いので甘く見てしまいがちですが、長期的に見ると大きな出費になるでしょう。そのため、できるだけ低い金利でローンを組むことが重要です。
このように、家を買う際は、あらかじめ購入のタイミングを十分に考慮したうえで決めておくようにしましょう。
予算を決める
家の購入を決断したら、予算を決めてください。先に予算を決めていた方が、プランを具体的に練りやすいからです。たとえば、予算を度外視してプランを決めてしまうと、予算内に収まらないプランを組んでしまうおそれがあるでしょう。
その場合、予算からはみ出した部分を削って調整しなければならないだけでなく、本当に欲しい機能などをつけられないまま購入が進んでいく可能性があります。
反対に予算から決めると、はじめから予算内でプランを組めるので、後からプランを調整する必要がありません。結果、計画がスムーズに進みます。
なお、家を買う際の予算は、頭金に住宅ローン借入額を足した額になることが一般的です。頭金は、自身が持っている資金から住宅購入の諸経費と予備費を引いた額です。予備費は、半年から1年分の生活費や引越し費用などが含まれます。
一方、住宅ローンの借入額のうち1年で返済する額は、年収の25%以内が一般的で無理のない範囲です。年収の25%を12で割ると、ひと月あたりの住宅ローン返済額が割り出されます。
どの住宅タイプがよいか考える
どの住宅タイプがよいか考えましょう。住宅のタイプはひとつではなく、さまざまな形態や注文方法があります。
たとえば、住宅の形態として多く挙げられるのは一戸建てとマンションです。記事の前半で説明しているとおり、家とマンションではそれぞれメリットとデメリットが異なります。自身の環境や将来の計画にあわせて選ぶようにしましょう。
また住宅の注文方法には、注文住宅と建売住宅があります。注文住宅は、土地から材質、間取りなどすべてを1から決めていく方法です。自分の要望を柔軟に反映できるというメリットがありますが、時間や費用を多く必要とします。
一方で建売住宅は、元々建築プランが決められている住宅を購入する方法です。土地選びなどの工程がないので、注文から入居までの期間が早いことが特徴です。予算の面でも注文住宅よりも安い傾向にありますが、自分好みのデザインや機能にできないのがデメリットです。
このように、家にもさまざまなタイプがあります。したがって、自身にあったものを購入するようにしましょう
建築会社を探す
続いて建築会社を探しましょう。建築会社を探さないことには、住宅の注文はできません。建築会社の探し方としては、インターネットで検索するのが最も効率的です。資料請求をしたり住宅展示場へ行ったりして、安心して依頼できそうな建築会社を探してください。
なお建築会社を探す際は、家を建てる土地も同時に探しましょう。先に土地を購入してしまうと、土地に支払う資金と家に支払う資金のバランスが崩れてしまいます。
また住宅ローンを組む際には、土地の売買契約書と家の工事請負契約書が必要です。売買契約書は土地を購入した際に作成し、工事請負契約書は家を建てる際に作成します。
土地を探す
家を建てる際、土地選びは慎重に行うことが重要です。土地選びに失敗してしまうと、いざ住んだときに、周辺環境に関するトラブルに巻き込まれるかもしれません。
たとえば、騒音問題です。土地によっては、周りに大きな道路が走っており、自動車やバイクなどが走行する音が常に聞こえる場所もあります。
日中や出かけている間に音がする分には、許容できる人もいるでしょう。しかし、夜中まで大きな音が鳴ると、睡眠の邪魔になるため許容できない人も多いはずです。
そうした騒音問題は、住んでみないとわかりません。したがって土地を選ぶ際は、周辺環境を把握して、どういったトラブルが考えられるのかを考慮しておきましょう。
また、土地選びは日当たりにも関係します。日当たりの悪い土地を選んでしまうと、家に採光用の窓をつけたとしても、効果が薄くなってしまうでしょう。
日当たりは室内温度にも影響してくるので、できるだけよい日当たりの家が立てられる土地を選ぶようにしてください。
必要な費用を把握する
必要な費用を把握しておきましょう。どこにどれだけの費用がかかっているかを把握することで、資金の管理や整理がしやすくなり、思わぬ出費に驚くことがなくなるでしょう。
なかでも、把握しておきたい費用が諸経費です。諸経費は、物件を買う際とローンを組む際に発生する費用で、家の購入代金とあわせて用意する必要があります。物件を買う際には、以下のような諸経費が発生します。
- 印紙税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 司法書士への依頼費
- 固定資産税精算金
続いて、ローンを組む際には以下のような諸経費が発生します。
- 印紙税
- 登録免許税
- 司法書士への依頼料
- ローン手数料
- ローン保証料
- 火災保険料
場合によっては、物件調査料が必要になる場合もあるでしょう。金額としては、注文住宅の場合物件価格の3〜6%、建売住宅の場合は物件価格の6〜9%を目安にすることが多いです。
購入する家のタイプや時期によって異なりますが、大まかな目安として知っておくことで、予算の見とおしがしやすくなります。
家を買う際のポイント
家を買う際のポイントは以下のとおりです。
- 資金計画は無理のない範囲で立てる
- 見学会に参加して完成形を確認する
- 複数の建築会社を比較する
これらを意識しておくことで、家の購入がスムーズに進みます。これから家を買う人の参考になるようにひとつずつ解説するので、ぜひ参考にしてください。
資金計画は無理のない範囲で立てる
資金計画は、無理のない範囲で立てるようにしてください。無理をしてしまうと、生活費が圧迫されて苦しくなるでしょう。
たとえば、住宅ローンは一度組むと、そこから数十年は定期的な支払いが続きます。収入に対して住宅ローン割合が大きくなると、その分自由に使える資金がなくなってしまうでしょう。
家族が増えると養育費も必要となるため、住宅ローン以外にも定期的な支払いが出てきます。資金計画を立てる際に無理をしてしまうと、住宅ローンの支払いが滞り、最悪の場合は家を売らなければいけません。
こうした問題を未然に防ぐためにも、資金計画は余裕を持って行うようにしてください。なお、家を買う際の資金の内訳は、自分で用意する資金は1,250万円、ローン借入額は3,360万円が平均的です。
見学会に参加して完成形を確認する
土地や物件を実際に見学して、完成系や立地を確かめておきましょう。土地や内装の雰囲気は、実際に足を運ばないとわかりません。たとえば、家の間取りやデザインを決める際は資料や文章で説明されるよりも、実際に見学した方が具体的なイメージが湧きやすいです。
見学をせずにいきなり家を建ててしまうと、イメージしていたものとは違う間取りやデザインだったときに建て直しができません。仮に内装だけを作り替えるとなっても、高い費用がかかってしまうでしょう。
また、立地の確認も重要です。内装の見学は住宅展示場で行うことが多いので、土地の雰囲気を確かめるのには向いていません。そのため、家を建てる土地に候補があれば、実際に足を運んでみましょう。
このときポイントとなるのが、周辺環境を意識することです。生活インフラが整っているか確認することで、住み始めてから不便を感じることがなくなります。
こちらの記事では、住宅のショールームについて解説しています。ショールームとモデルハウスの違いや見学時に持参するもの、見学の際のポイントなどを取り上げていますので、ぜひあわせてお役立てください。
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複数の建築会社を比較する
家の建設を依頼する建築会社は、複数社を比較しましょう。自分にとって最適の建築会社が見つかるからです。
建築会社の多くは、自社に依頼してもらうため、家を建てる予定の顧客に対してさまざまなアプローチをしてきます。たとえば、限定的な値引きやオプションの無料追加、保険などです。
こうした魅力的な提案に流されて、複数の建築会社を比較せずに依頼してしまうケースもあります。しかし、その建築会社が自身の望む条件にマッチしているとは限りません。条件にマッチしていない建設会社に依頼すると、本当に欲しい家を建てられなくなります。
そうした問題を未然に防ぐためにも、建設会社を複数比較して自身にあった条件の建設会社を選ぶようにしてください。
まとめ
本記事では、家を買うメリットやデメリットを解説しました。家の購入は何度も行うものではないので、失敗しないためには、あらゆる面に注意をはらう必要があります。今回紹介したポイントを踏まえつつ、失敗のない家づくりを行ってください。
タカオホームソリューションズでは、お客様のニーズにあわせた家づくりが可能です。お客様の要望を聞くだけではなく、専門的な知識を持ったスタッフが、よりよい家になるようにさまざまなアイデアを提案いたします。現在、家の購入を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。