長期優良住宅は、高性能で長く住み続けられる家として施工数が増えており、令和5年度には新築戸建ての着工実績の約3割を長期優良住宅が占めています。
一方で、長期優良住宅を実際に建てた事例のなかには、思っていたイメージと違って後悔したという声もあり、慎重に検討する必要があります。
本記事では、長期優良住宅で後悔しやすいポイントを紹介し、その解決策について解説します。
そもそも長期優良住宅はどんな家?
長期優良住宅の認定制度は、平成21年にはじまりました。長期優良住宅とは、長く住み続けられる家として国から認められた住宅を指します。
国土交通省の統計によると、令和5年度末までに新築一戸建てで長期優良住宅と認められた物件数は、全国累計で約155万戸でした。
安心で快適に住み続けられる家
かつて日本では、寿命の短い家をつくって壊す「スクラップ&ビルド」が主流でした。しかし、環境への配慮や豊かな暮らしを実現するという観点から、大きな方針転換がおこなわれました。
「優良な住宅を建てて手入れをしながら長く住む」ことを目的に、国が長期優良住宅の認定制度をスタートさせました。長期優良住宅には国が定めた認定基準があり、建築や維持保全についての計画を作成して申請することで、認定を受けられます。
満たすべき8つの項目
長期優良住宅の基準は、戸建て住宅と共同住宅で一部異なります。新築一戸建ての長期優良住宅を建てる場合、以下にあげる8つの条件にあてはまるように設計・建築しなければなりません。
「劣化対策」として、数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できることが求められます。対策等級3を基準とし、かつ木造や鉄骨など構造の種類に応じた基準も設けられています。
「耐震性」の項目では、極めてまれに発生する震度の大地震に対し、継続利用のための改修が容易にできるよう損傷レベルの低減をはかることと定められています。
「維持管理・更新の容易性」では、設備配管の維持管理を容易におこなえるような措置が講じられていることが必要です。
住宅躯体に比べて排水管や設備は寿命が短いため、メンテナンスを容易にすることで建物の寿命をのばすことが目的です。更新対策は共同住宅における基準となり、戸建て住宅には該当しません。
「省エネルギー性」を備えていることも、長期優良住宅の条件となります。必要な断熱などの性能等級に加え、冷暖房や照明、換気などの一次エネルギー消費量における等級も満たす必要があります。
「住居環境」では、居住する地区が定める建築協定や景観計画などの内容と、調和をはかる配慮がなされていることが条件となります。各自治体により異なるため、所管行政庁に確認しなければなりません。
また「住居面積」は、良好な居住水準を確保するのに必要な規模を有することが条件となり、最低面積が定められています。
「維持保全計画」では、決められた部分や設備の定期的な点検や補修に関する計画を、建築時から策定することを定めています。
最後に「災害配慮」では、災害発生リスクのある地域において、リスクの高さに応じた被害の防止や軽減する措置を講じることです。この項目も、居住している地域によって内容が異なるため確認が必要です。
長期優良住宅を購入するメリット
長期優良住宅は、長く住める性能を備えているだけでなく、税制や住宅ローンなどお金の面でも大きなメリットがあります。ここでは、長期優良住宅を建てることで得られる金銭的なメリットや、快適な暮らしについて解説します。
住宅ローンの金利が優遇される
長期優良住宅を建てるときに住宅ローンでフラット35を選択すると、金利の優遇を受けられる場合があります。フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関の提携で提供されている、最長35年の固定金利型住宅ローンです。
省エネルギー性・耐震性・耐久性などに優れた長期優良住宅を取得する場合「フラット35・S」が適用され、金利Aプランでは金利引き下げ期間当初5年間で、年0.5%の金利引き下げを受けられます。金利Bプランの場合は、当初5年間で金利引き下げ幅が年0.25%となります。
借入当初の金利が引き下げられることにより、全期間の金利が固定されている通常のフラット35よりも、返済総額が少なくなるのがメリットです。
借入額3,000万円・借入期間35年・元利均等返済・ボーナス返済なし・借入金利年1.8%の条件で試算すると「フラット35・S」の金利Aプランは、通常のフラット35に比べて返済額が約80万円お得になります。同じ条件で金利Bプランの場合は、約40万円お得になると試算されます。
ただし、「フラット35・S」には予算金額が決められており、予算が達する見込みとなると受付が終了する可能性があるため注意が必要です。
税制の控除や減税が受けられる
長期優良住宅には、さまざまな税制面の優遇も設けられています。よく知られているのは住宅ローン減税です。
住宅購入の経済的な負担を減らすため、住宅ローンを借りて新築の家を建築・購入した人は、年末ローン残高の0.7%が所得税や住民税から最大13年間控除されます。
2024年1月から制度が変更され、新築住宅で住宅ローン減税を受ける条件として、省エネ基準に適合した住宅であることが必要とされました。
住宅ローン減税が適用されるローン残高は、入居する年度などによってそれぞれ決められています。たとえば、子育て世帯・若者夫婦世帯が令和6年に新築の長期優良住宅に入居する場合、住宅ローン減税が適用される借入限度額は5,000万円です。
一方で、そのほかの世帯が同じ年度に長期優良住宅に入居する場合は、借入限度額が4,500万円になります。令和7年度に入居するケースでは、一律4,500万円までと定められています。
同じ新築でも省エネ基準適合住宅では、子育て世帯・若者夫婦世帯が令和6年に入居する場合で借入限度額が4,000万円です。そのほかの世帯でも3,000万円までとなっているため、長期優良住宅を建てたほうが、住宅ローン減税の最大控除額が高くなります。
住宅ローン減税以外にも、長期優良住宅には固定資産税の減税額期間延長や、登録免許税の税率引き下げ、不動産取得税の軽減措置などが適用されます。
一般の新築一戸建ては、固定資産税が最初の3年間半額になりますが、長期優良住宅は固定資産税の優遇期間が5年間です。
登録免許税は、一般住宅よりも税率を引き下げる措置が令和9年3月31日まで講じられおり、一般住宅では所有権の保存登記における税率が0.15%であるのに対して、長期優良住宅は0.1%となっています。
所有権の移転登記についても、一般の戸建て住宅は税率が0.3%ですが、長期優良住宅は0.2%に軽減されています。
また、不動産取得税の控除額は一般住宅が1,200万円なのに対し、長期優良住宅は控除額が1,300万円と高く、節税効果が期待できます。
地震保険料が割引される
地震保険は地震による被害を補償する保険ですが、一定の耐震性をもった長期優良住宅には、地震保険料の割引が適用されます。
耐震等級2の長期優良住宅は、割引率が30%です。耐震等級3の場合は、割引率が50%に上がります。また、免震建築物も、50%の割引を受けられます。
地震保険の割引を受けるには、確認のための資料を保険会社に提出しなければなりません。加入前に、必要書類や手続きの方法についてチェックしておきましょう。
補助金が利用できる
長期優良住宅を建築・購入すると、補助金がもらえるケースも増えています。たとえば「地域型グリーン化事業」は、高性能な新築の木造住宅を建てたときに適用される補助金で、長期優良住宅も対象です。
地域型グリーン化事業の補助金を受けるためには、事業に申請して採択されたグループに属する中小工務店で木造の長期優良住宅を建てる必要があります。また、住宅の建材には、原則として地域で採れた木材を使用するように指定されています。
「子育てエコホーム支援事業」も、長期優良住宅を建てるときに申請できる補助金です。エネルギー価格の高騰で経済的な負担が重くなりやすい子育て世帯・若者夫婦世帯を支援するために、国が提供しています。
注文住宅の新築や、新築分譲住宅の購入が対象となり、子育て世帯・若者夫婦世帯に限って補助金を受けられます。長期優良住宅の補助上限は、1戸につき100万円までです。
快適な住宅で暮らせる
住宅の断熱性が低いと冬は寒く夏は暑いため、健康のリスクが高まります。断熱性に優れた長期優良住宅に住むことで、外気温による影響を減らし、快適な暮らしが実現できます。
長期優良住宅は省エネ性能も高く、夏や冬でも快適に過ごせる室温を保ちながら光熱費を抑えられます。耐震性が高いことも、長期優良住宅が次世代まで住み続けられるひとつの要素です。
大きな地震がきたとしても、家の強度が強いため損傷が少なく、住み続けるための修繕が容易になるように設計・建築されています。
長期優良住宅で後悔しやすいポイント
長く安心して住める家として人気の長期優良住宅ですが、実際に購入した人からは建築時や入居後に後悔したという声もあがっています。長期優良住宅はどのような点で後悔しやすいのか、そのポイントについて確認してみましょう。
申請するために追加費用が発生する
長期優良住宅の認定は、所管の行政庁に必要書類を提出することで申請できます。申請すると、技術審査を経て認定を受けることになりますが、審査・認定の手数料として5〜6万円の費用が発生します。
また、申請書類や添付書類の作成は家を建てる建築会社に依頼するケースが多く、書類作成と代行申請の費用に別途20~30万円ほど必要です。
予想より出費がかさんで後悔しないよう、長期優良住宅の申請にかかる費用は申請前に把握しておきましょう。
建築スケジュールが延びやすい
長期優良住宅は、申請書類の準備や審査に時間を要するため、一般住宅に比べて建築スケジュールが長くなる傾向にあります。認定申請をする前に着工してしまうと、長期優良住宅の認定が受けられないため、着工前に書類を揃えて申請を出さなければなりません。
そのため、一般住宅よりも1週間〜1か月ほど着工が遅くなるといわれています。ただし、申請を出せば審査結果を待つ必要はなく、着工後に認定通知書の交付を受けることになります。
長期優良住宅の施工実績が多い建築会社は、申請手続きの流れについてよく理解しているため、申請から着工までスムーズに進められるでしょう。
工事中のプラン変更に手間がかかる
長期優良住宅を建てるときは、認定申請時に工事の計画を提出してから着工します。この計画をもとに審査がおこなわれて長期優良住宅の認定を受けますが、万が一着工後に設計などのプランを変更する場合は、計画が変更になったことを報告しなければなりません。
計画変更の手続きには、申請資料の再提出や耐震性などの再計算が必要になるため、追加の費用がかかります。また、間取りや外壁材といった耐震性にかかわる部分を変更する場合は、長期優良住宅の認定基準から外れないような内容にする必要があります。
設計内容が制限されやすい
長期優良住宅の耐震性は、もともと「耐震等級2または3」が認定基準とされていましたが、令和4年10月の法改正で「耐震等級3」に変更されています。耐震等級3の基準を満たす長期優良住宅を建てる場合は、家の間取りがかなり制限されます。
たとえば、リビングの壁や柱をなくして広い空間にしたいと思っても、耐震性を確保するためには耐力壁をバランスよく配置する必要があり、希望の間取りを実現できない可能性もあります。
耐震等級を高めるための方法は耐震壁のほかにもいくつかあるため、どうしてもかなえたい間取りがある人は、建築会社に相談してみましょう。
定期的にメンテナンスをする必要がある
長期優良住宅は、認定を受けたあとも定期的なメンテナンスをする義務があります。認定申請をするときに維持保全計画を作成して提出し、入居後はその計画に沿って家のメンテナンスを実行しなければなりません。
定期的なメンテナンスが課されている理由は、長期優良住宅の認定制度が「優良な住宅を建てて手入れをしながら長く住む」ことを目的としているからです。メンテナンスや修繕には費用がかかりますが、家を良好な状態で維持するための重要なポイントです。
適切なメンテナンスをしなかった場合、認定が取り消される可能性もあります。長期優良住宅の定期メンテナンスには、床下や屋根の点検も含まれているため、その住宅を建築した会社に依頼するケースが大半です。
メンテナンスをした記録は保存しておかなければなりませんが、提出の必要はありません。ただし、所管行政庁の調査が入る際はメンテナンス履歴の提示が求められるため、いつでも見せられるようにきちんと保管しておきましょう。
行政から報告を求められたときにメンテナンス状況を報告しなかったり、虚偽の報告をしたりすると、30万円以下の罰金を科されることがあります。そのため、メンテナンスや修繕の内容は、正しく記録しておく必要があります。
リフォームは許可が必要になる
住宅に長く住んでいると、家族構成やライフスタイルの変化にあわせてリフォームを検討するケースが増えてきます。長期優良住宅は認定基準に沿って建てられていますが、増築やリフォームをする場合も、長期優良住宅の基準から外れないように計画しなければなりません。
長期優良住宅の増築・リフォームをする際は、所管行政庁で計画変更の手続きをしましょう。間取りの変更は耐震性に影響するため、許可を得る必要があります。
また、窓などの開口部や給湯設備を取り替えると、省エネ性能に影響が出るため、こちらも許可が必要です。壁紙の張り替えなど、家の性能そのものに影響を及ぼさないリフォームは、許可を得なくても実施できる場合があります。
長期優良住宅で利用できる補助金制度
長期優良住宅は、高い耐震性や断熱性を実現させなければならないため建築材料費が高くなります。設備も認定基準を満たすようにグレードの高いものを設置するため、トータルの建築費用が一般住宅に比べて1~2割上がるといわれています。
長期優良住宅の建築費用を予算内におさめたい場合は、補助金制度を活用するのがおすすめです。
地域型グリーン化事業
「地域型住宅グリーン化事業」は、認定長期優良住宅や、ZEH住宅などを対象とした補助制度です。地域の木材を使用して建てられ、なおかつ省エネ性能などに優れた木造住宅に対して、国から補助金が支給されます。
補助金を受けるには、事業に採択された中小工務店が建てる新築住宅であることや、地域材を使用することなど一定の要件を満たす必要があります。
地域型グリーン化事業には「こどもエコ活用タイプ」と「通常タイプ」の2種類があり、それぞれの枠内でも長期優良住宅・ZEH住宅など家の性能に応じて細かく補助上限金額がわかれています。
たとえば、こどもエコ活用タイプに該当する場合、長期優良住宅では加算措置などを含めて105〜135万円の範囲で補助額が決まります。なお、地域型グリーン化事業は、令和6年度の実施は予定されていません。
市町村の住宅関連補助金
国が実施している補助金とあわせて、各市町村が独自におこなっている補助金制度にも注目しましょう。一例をあげると、岐阜市では「まちなか居住支援事業」という補助制度が提供されています。
岐阜市の中心市街地で新築住宅を取得した人を対象に、建築費または購入費の一部を助成する制度です。補助金を受けるためには、金融機関から返済期間が10年以上の住宅ローンを100万円以上借りていることや、2人以上の世帯であることなどが条件となっています。
長期優良住宅も助成の対象となっていて、住宅ローンの借入金額の10%以内が補助金として支給されます。上限額は、市内転居の場合で40万円、世帯に市街からの転入者が含まれる場合は60万円です。子育て世帯は、上限額に20万円が加算されます。
長期優良住宅の購入で後悔しないためには
住宅は一生のなかでもとくに大きな買い物であり、後悔したくないと考える人がほとんどです。長期優良住宅で後悔しないために、検討段階からチェックしておきたいポイントを紹介します。
長期優良住宅の施工実績が豊富な業者を選ぶ
長期優良住宅は認定基準が細かく設定されているため、基準を満たした設計・建築が確実にできる業者に依頼しましょう。長期優良住宅の施工実績が多い建築会社を選ぶと、申請手続きも任せられて安心です。
長期優良住宅は間取りや設備に制限がありますが、実績が豊富な建築会社ならノウハウやアイディアをたくさんもっているため、施主の希望をうまく取り入れつつ認定基準を満たした家をつくれるでしょう。
自分たちで管理ができるか考えておく
長期優良住宅は定期メンテナンスが義務づけられていますが、10年ごとの点検には費用がかかるうえ、記録の保存もしなければなりません。メンテナンスは、申請時に提出した維持保全計画に従っておこなうことになっています。
維持保全計画の内容によっては、メンテナンスが負担になってしまうケースもあります。点検を実行しないと、長期優良住宅の認定を取り消されて、補助金を返還しなければならない場合もあるため注意してください。
無理なく実行できる維持保全計画かどうか、提出前によく内容を確認しておきましょう。
確定申告で税金の控除申請を忘れない
住宅ローン控除を受けるには、確定申告で控除申請をする必要があります。確定申告を忘れてしまうと控除が受けられないため、申告時期になったら早めに所得税の確定申告をおこないましょう。
所得税の確定申告をする時期は、住宅ローン控除を受ける年の翌年2月16日〜3月15日です。申告の際は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」や金融機関から発行された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を提出します。
ただし、住宅ローン控除を受ける初年度は、上記以外に「長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し」「登記事項証明書等」といった複数の書類を用意しなければなりません。
なお、2年目以降の手続きは、会社員の場合は会社に「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を提出しましょう。年末調整で所得税が還付されます。
会社で手続きをしない人は、2年目以降も自分で確定申告をおこなうことになります。2年目以降に確定申告する際も「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の添付が必要です。
もし初年度に住宅ローン控除の申請を忘れてしまった場合でも、還付申告する年分の翌年1月1日から5年間に申告をすれば、さかのぼって控除を受けられます。
建築費用と節税費用を比較する
長期優良住宅は建築費用が一般住宅よりも高額になりますが、税制控除によるメリットも多いのが特徴です。
ただし、住宅ローン減税で控除を受けられる金額は、ローンを借りた人の所得や借入額によって異なるため注意してください。所得が少ない場合、控除額も少なくなるため、多額の借り入れをしても大きなメリットにならない可能性があります。
また、税制の優遇を期待して設備や間取りに高いコストをかけすぎると、思った以上に建築費用がふくらんでしまうこともあるでしょう。資金計画を大幅に上回ってしまわないように、建築費用と節税効果のバランスを考えることが大切です。
メリットとデメリットをしっかりと比較する
長期優良住宅は次世代にわたって長く快適に住める性能を備えていますが、建築コストやメンテナンス費用が一般住宅よりも高くなるというデメリットもあります。メリット・デメリットをよく理解して、納得のいく家づくりを目指しましょう。
利用できる補助金制度を調べておく
長期優良住宅を購入するときに申請できる補助金は複数の選択肢があり、なかには併用できる制度もあります。複数の補助金を利用できれば、建築費用の負担を減らせるため、申し込みたい補助金の条件をよく調べておきましょう。
一部の補助金は、ほかの制度と併用できない場合があるため気をつけてください。たとえば、新築注文住宅や新築分譲住宅の購入に「子育てエコホーム支援事業」を利用する場合、国から助成を受けられるほかの補助金との併用ができません。
ただし「子育てエコホーム支援事業」は、地方自治体が提供する補助金との併用は、国費が財源でなければ可能となっています。
長期優良住宅の申請手順と必要書類
長期優良住宅を新築したときの認定申請は必須ではありませんが、長期優良住宅と認定されれば住宅ローン金利の優遇や減税などを受けられるため、申請したほうが経済的なメリットは大きくなります。
認定申請は着工前に済ませることになっているため、必要書類を準備して、正しい手順で申請をおこないましょう。
手順
まずは「建築・維持保全に関する計画」を作成します。登録住宅性能評価機関の技術検査を受けて、長期優良住宅の基準を満たしていることが確認できたら、確認書や評価書が交付されます。
つぎに、確認書や評価書を添えて所管行政庁へ認定申請をしましょう。行政の適合審査を通過すると、認定通知書が交付され正式に長期優良住宅として認められます。
建売住宅の場合、認定申請は建築主である不動産会社などがおこないます。注文住宅は、施主がみずから申請するよりも、建築会社をとおして申請するケースが多いでしょう。
必要書類
長期優良住宅の申請に必要な書類は「認定申請書」「設計内容説明書」「設計内容説明書資料」「添付図書」などです。一般の人にとっては扱いが難しい書類のため、建築会社に作成や準備を依頼しましょう。
長期優良住宅の気になること
長期優良住宅の購入を考えるにあたって、後悔しないようにもっと知識をつけたいという人もいるでしょう。ここでは、長期優良住宅の購入を検討している人からよく質問があがる項目について解説します。
メンテナンスはいつまで?
長期優良住宅の定期点検は、10年以内に1回の頻度でおこなうことになっています。建築後は、30年以上にわたってメンテナンスが必要です。
また、台風や地震の際には、定期メンテナンスのタイミング以外でも臨時点検をおこなうよう定められています。
認定の取り消しはできる?
長期優良住宅の認定は取り消すこともできますが、税制控除がなくなったり、補助金の返還を求められたりするため、取り消すメリットはそれほどないでしょう。
どうしても取り消したい場合は、各市町村が指定する書類に必要事項を記入して提出すれば認定の取り消しができます。
どれくらいお得になる?
長期優良住宅は「住宅ローン控除」「不動産取得税の控除額アップ」「登録免許税の税率優遇」「フラット35の金利優遇」などに加えて補助金を受けられ、一般住宅に比べて100万円以上お得になるといわれています。
年収が高い人や、借入額が多い人ほど、減税や控除のメリットは大きくなります。年収400万円の人が借入額4,000万円で長期優良住宅を購入した場合、減税や補助金をトータルして、一般住宅よりも500万円ほどお得になるケースもあります。
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まとめ
長期優良住宅の購入で後悔しないためには、建築コストに対して控除や補助金などのメリットがどれくらいあるのか試算し、総合的に判断することが重要です。
間取りや設備も一般住宅に比べて自由度が低くなるため、建築会社とよく相談して、納得のいく住宅を手に入れましょう。
タカオホームソリューションズは、地域密着型の工務店としてお客様が安心して長く暮らせる住宅をご提案しています。高い耐震性・断熱性を備えた高性能の家づくりで、家族の快適な暮らしをお手伝いいたします。
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