固定資産税はどうやって決まる?評価額の決まり方を解説

土地や家屋を所有していると関わってくるのが、毎年支払う固定資産税です。金額が高いため、経済的負担が大きくなってしまうケースもあるでしょう。固定資産税はどうやって決まるのでしょうか。

この記事では、固定資産税がどうやって決まるのかを解説しています。また、固定資産税評価額の調べ方や固定資産税の軽減措置についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

固定資産税はどうやって決まる?

固定資産税を支払うのは、家や土地を持っている所有者で地方税に分類されます。4月に納税通知書が届き、複数回にわたって支払ったり、1度にまとめて支払ったりできます。

土地や家屋を購入する際にも税金がかかりますが、固定資産税はそれとは別に土地を持っている際にかかる費用です。固定資産税は安くないため、家計の負担になり得るものでしょう。

固定資産税は、なにを基準にして決定しているのでしょうか。知識を身につけておくと、いざというときに役立ちます。ここでは、固定資産税がどうやって決まるのかを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産税を課税する際に各自治体が評価した固定資産の価格を指します。固定資産税評価額は、土地や建物といった固定資産に該当するものに対して適用される評価額です。

固定資産税は、固定資産に対して課せられる税金です。この税金は、所有者の年収や収入状況を考慮せずに課税額が決定されます。つまり、固定資産の所有そのものに対して課税されるものであり、所得に関係なく一定の評価額に基づいて税額が計算されます。

固定資産の価格は適正時価を基に算出されます。適正時価とは、実際の市場取引において成立する価格を意味し、不動産の取引が行われる際の市場価格に基づいて評価されます。この適正時価は、固定資産税評価額の算出において重要な指標です。

一般的に、土地の固定資産税評価額は、時価公示価格(標準価格)の70%とされています。評価額は土地の市場価値や周辺環境の変化などを反映して見直されるため、固定資産税額も変動することがあります。そのため、固定資産の所有者は定期的に評価額の確認を行い、適切な課税額を把握することが重要です。

土地

土地の固定資産税評価額には、「路線価方式」と「標準宅地比準方式」の2つの算出方法があります。住宅が多く集まっている地域では主に路線価方式が用いられ、田舎の地域では標準宅地比準方式が用いられることが一般的です。

所有する土地や家屋の場所によって評価方法が異なるため、どちらの方式で計算されるのかを確認しましょう。路線価方式では、道路ごとに価格(路線価)が設定され、その道路に接している土地の価格を計算します。一方、標準宅地比準方式では、評価対象となる土地の近隣にある基準的な土地(標準宅地)と比較して評価額を決定します。

固定資産税の通知書などに評価方法が記載されている場合もありますので、自分の土地がどの方式で評価されているのかを確認し、適正な固定資産税の納税を行うことが重要です。

家屋

家屋の固定資産税は「再建築価格方式」によって計算されます。再建築価格方式とは、同じ建物を再度建築した際にかかる費用を基準に、その金額に築年数による減額を反映させて評価額を決定する方法です。

また、経年減点補正率というものがあり、経年減点補正率は築年数の減額率を指します。建物の場合、建築費用は約70%とされています。実際にかかった価格ではなく、評価額は適正金額となるためタイミングよく安価で購入できた場合は注意が必要です。

家屋の価値は年々下がりますが、どんなに古い家屋でも最低20%の評価額は残ります。そのため、固定資産税評価額が0円になることはありません。たとえ家屋が空き家になったとしても、固定資産税は引き続き課されます。

固定資産税は経済的な負担が大きいため、支払い続けるのが困難な場合も多いでしょう。空き家を放置しておくと、使用していないにもかかわらず固定資産税がかかり続けることになります。そのため、使っていない家屋は売却や賃貸などの対策を講じることをおすすめします。

税率

固定資産税の税率は、市町村が決めています。これは「課税自主権」と呼ばれるもので、自治体が財政状況や地域の特性に応じて固定資産税の税率を決める権限を持っているためです。

固定資産税の基準となる税率は一般的に1.4%ですが、これは全国一律ではありません。自治体の財政状況や地域の需要に応じて、1.4%を超える場合もあります。そのため、固定資産税率には地域差があることを理解しておく必要があります。

固定資産税のほかに、都市計画税や不動産取得税、登録免許税の計算にも用いられます。税率は自治体によって違いがあります。

固定資産税の税率は、固定資産税評価額に直接影響を与える重要な要素です。そのため、自分が所有する土地や家屋が所在する市町村の税率を確認しておくことが大切です。

固定資産税評価額の調べ方

固定資産税評価額を調べるには、いくつかの方法があります。ここでは、代表的な3つの方法を紹介しますので、自分に合った方法で土地や建物の固定資産税評価額を確認してみてください。

固定資産税評価明細書を確認する

自分が所有する土地や建物の固定資産税評価額を調べる際は、固定資産税評価明細書を確認するのが最も手軽です。この明細書は、毎年4月ごろに固定資産税・都市計画税(土地・家屋)納税通知書と一緒に送付されます。

固定資産税評価明細書には、所有する土地や家屋の所在・番地、価格などが記載されています。これにより、固定資産税評価額を簡単に把握できるでしょう。ただし、土地と家屋で記載内容に違いがあるため、それぞれの情報を正確に確認することが重要です。

万が一、手元に明細書が見当たらない場合や紛失してしまった場合は、以下の2つの方法で固定資産税評価額を調べることをおすすめします。

固定資産評価証明書を発行する

固定資産税評価額を調べるもうひとつの方法として、固定資産評価証明書を発行する手段があります。この証明書は、自分が所有する不動産が所在する自治体の役場窓口で発行してもらえます。また、郵送での発行も可能ですので、窓口に行く時間がない場合にも対応できます。

固定資産評価証明書は、固定資産税台帳に登録されている不動産の資産価値を証明するための書類です。この証明書には、不動産の所有者、価格、課税標準額、地籍などの詳細情報が記載されています。固定資産評価証明書は個人情報に該当するため、取得できるのは不動産の所有者やその関係者に限られています。

不動産の評価額を確認したい場合、固定資産税評価明細書が手元にない場合には、固定資産評価証明書を発行してもらう方法を試してみてください。発行手続きには手数料がかかることがあるため、事前に自治体のウェブサイトなどで確認しておくとよいでしょう。

固定資産税課税台帳を閲覧する

固定資産税評価額を調べる際には、固定資産税課税台帳を閲覧する方法もあります。固定資産税課税台帳は、不動産が所在する市町村の税務課窓口などで閲覧できます。

固定資産評価証明書と同様、固定資産税課税台には個人情報が記載されていますので、不動産の所有者または関係者しか閲覧できません。閲覧する際には、運転免許証などの身分証明書を持参する必要があります。

固定資産税の軽減措置

固定資産税は決して安くないため、支払うのが大変と感じる方も多いでしょう。家計を圧迫することもあり、対策が必要な場合があります。そこで役立つのが、固定資産税の軽減措置です。

軽減措置を利用すると、通常よりも固定資産税額が減少し、経済的な負担を軽減できます。これらの措置にはさまざまな条件があり、適用されるためには一定の要件を満たす必要があります。

ここでは、代表的な固定資産税の軽減措置について詳しく解説しますので、参考にしてみてください。

住宅用地の特例

住宅用地の特例は、住むための家を建てた際に土地の固定資産税を軽減する措置です。住宅用地とは、居住を目的とした土地を指し、これに該当する土地は特例が適用されます。一般住宅用地の場合、固定資産税は通常の3分の1に軽減されます。

また、都市計画税は3分の2に設定されています。ただし、住宅用地として使用されなくなった場合、この特例は適用されません。具体的には、住むための建物が取り壊されたり、更地になってしまったりすると、軽減措置の対象外となるため注意が必要です。

この特例を利用することで、住宅用地にかかる固定資産税が大幅に減少し、家計の負担が軽減されます。適用条件を満たすかどうかを確認し、必要な手続きをしっかりと行うことが重要です。

小規模宅地の特例

小規模宅地の特例は、敷地の面積が200m2以下の土地に適用される軽減措置です。この特例が適用されると、固定資産税は通常の6分の1に軽減されます。

この特例は高い割合の軽減措置が適用されるため、経済的負担を大幅に軽くする効果があります。また、固定資産税だけでなく、都市計画税も3分の2に軽減されます。ただし、この特例も住宅用地と同様に、土地が更地になったり、建物が居住用として使用されなくなったりすると適用外です。

特例の適用を受けるためには、敷地が一定の条件を満たしていることが必要です。小規模宅地の特例は、とくに面積が小さい土地を所有している場合に大きな助けとなります。適用条件を確認し、軽減措置を活用することで、税負担を軽減できます。

認定長期優良住宅

新築の家は、認定長期優良住宅として認定されることで、さらに固定資産税の軽減措置が適用される場合があります。認定長期優良住宅とは、耐震性や耐久性に優れた住宅で、国が定めた基準を満たすものです。

この認定を受けた住宅は、2024年3月31日までに新しく建てられたものが対象となり、一定期間、固定資産税が2分の1に軽減されます。具体的には、一戸建ての場合は購入から5年間、マンションの場合は7年間、この軽減措置が適用されます。

認定長期優良住宅の軽減措置を利用することで、本来の税額が半分に減少し、家計への負担を大幅に軽減できます。新築住宅の購入を検討している場合、この軽減措置を活用することで経済的な負担を軽くできるでしょう。

株式会社タカオホームソリューションズでは、経験豊富なスタッフが、ニーズに合わせた最適な提案を行います。固定資産税の軽減措置のご相談も可能なため、ぜひ一度お問い合わせください。

まとめ

この記事では、固定資産税がどのように決まるのかについて、土地や建物といった項目別に解説しました。また、固定資産税を決定する際に用いられる固定資産税評価額の調べ方についても詳しく説明していますので、自分の自治体で確認してみましょう。

固定資産税にはさまざまな軽減措置があり、適用条件によって税額を抑えられます。住宅用地や認定長期優良住宅など、特定の条件を満たすことで税負担を軽減できますので、これらの措置をぜひ活用してみてください。

株式会社タカオホームソリューションズは、創業50年の歴史を持つ建築会社で、新築住宅やリフォームなどを手がけています。経験豊富なスタッフが、ニーズに合わせた最適な提案を行います。固定資産税の軽減措置のご相談も可能なため、ぜひ一度お問い合わせください。